You are currently viewing Management 3.0 事例 インタビュー

Management 3.0 事例 インタビュー

ステファンのManagement 3.0ワークショップ終了後のインタビューです★

 

ステファン:本日は、日本で事業を展開するドイツのハイテク企業dSPACE  Japanで2つのチームのグループリーダーとして働くカーステン・フィッシャーさんにお話をうかがいます。(以下、敬称略)

カーステンさんは2019年11月に私のManagement3.0、そしてリーン・チェンジマネジメントワークショップに参加されましたね。その後、チームにManagement3.0のプラクティスの導入を始め、今年初めにNuWorksグループにチームビルディングおよびビジョン構築ワークショップを開催してほしいと連絡をくれました。
本日はありがとうございます。インタビューできて光栄です。

カーステンさん、こんにちは。まず最初にdSPACEとカーステンさん自身について教えてください。
dSPACEとはどのような会社で、会社でのあなたの役割は何ですか?

 

カーステン:こんにちは、ステファン、インタビューにお招きいただきありがとうございます。このような状況なのでオンラインですが、またお会いできてうれしいです。

dSPACEは、お客様の緊密なパートナーとして、モデルベースの自動コード生成アプローチをシミュレーション技術と深く組み合わせ、電子制御ユニット(ECU)の開発とテストのためのソリューションとノウハウを提供しています。仮想環境でそれらを実行することで、ユーザーはより迅速かつ安全に独自のソフトウェアとハードウェアのイノベーションを開発、検証できます。これは例えば、自動車や飛行機、医療機器などに新機能を導入してテストする前に、早い段階で高レベルの品質に到達できることを意味しています。dSPACEはグローバルプレーヤーとして、世界中にオフィスを構えています。
日本では、東京に本社を置き、名古屋、宇都宮、大阪に支社と4か所に拠点があります。

 

私自身は、パーダーボルンのdSPACE本社で学生時代にインターンとして働き始めました。
卒業後はフルタイムのソフトウェア開発者として5年間経験を積み、アプリケーションエンジニアリングの駐在員兼チームリーダーとして3年間日本で仕事をしました。その後本社に戻り、ソフトウェア開発部門のグループマネジャーに就任し、機能コンセプトの開発、特許の作成と研究、日本市場向け主要ソフトウェアのプロダクトマネジメントを担いました。そのため、私は常に日本の「仲間たち」とこまめに連絡を取り合っていました。

そして2017年から再びdSPACE Japan 株式会社に駐在しています。ここでは、「ソフトウェアプロダクトグループ」のリーダーとして、ドイツの同僚からの強力なサポートと、もちろん日本の私のグループのメンバーの助けを借りて、ソフトウェア製品のビジネス拡大のために従業員とお客様を直接つなぐ役割を担っています。


ステファン:カーステンさんは昨年11月にManagement3.0とリーン・チェンジマネジメントの3日間のワークショップに参加されましたね。 なぜこのワークショップに参加されたのでしょうか?

カーステン:私は数年前からManagement3.0に注目していて、様々なブログ記事やニュースレターを時々読んでいました。 2017年に日本に戻ってきた時、たまたまヨーガン・アペロも日本に来ていて、彼のワークショップに参加しようと思ったのですが、その時は来客予定が入っていたので参加できませんでした。去年の3日間のワークショップの案内を見た時、今回はチャンスを逃すまいとすぐに上司の承認を得ました。 当社は従業員のトレーニングと能力開発に投資しているため、このような講座やワークショップを比較的簡単に受講できるという利点があります。

そういえば、ワークショップの前に、参加者の中には日程が合わずにキャンセルした人がいるとあなたから連絡をもらったことを覚えています。私はこのワークショップでM3.0について実践的に学びたいと考えていたので、いくつかのアイデアを一緒に検討し、最終的には、3日間連続で金曜日に3回に分けて開催することで、みんなのためになる解決策を見つけられましたよね。このインタビューで再びお会いするのはそれ以来ですね。

 

ステファン:カーステンさんは現在Management 3.0とリーンチェンジマネジメントを何か実践していますか?
または会社で導入することを考えていますか?

 

カーステン:はい、これはもうチームの中で毎回口癖のように言っていますが、一歩一歩、少しずつですが実践しています。私が知らず知らずのうちに使っていた考え方もありますが、自分の考え方に合っていると思います。
たとえば、自分の経験を話しながら知識を共有する「ストーリーテリング」ですが、 2017年、新しい役職に就いた時に最初のイベントとしてこのようなセッションを行いました。

そして、昨年Management 3.0のワークショップに参加した後、すぐにメンバーに向けて社内ワークショップを開催しました。 たとえば「セレブレーショングリッド」を使って仕事と成果を見える化し、今年取り組む改善のいくつかの目標を設定しました。 全体として見ると、それに対する全員からのフィードバックは肯定的でしたね。 そして、私はManagement 3.0の実践の場をさらに広げ、チームの自己組織化に向けて動きたいと思いました。 グループ全体のワークショップをあなたと一緒に計画し始めた頃です。

その後、今年のワークショップで、「パーソナルマップ」、「デリゲーションポーカー」、「ムービングモチベーター」を使い始めました。 そして最近では、オフィスのフリーデスクの上に、お互いに「ありがとう」のメモを書くための「Kudoボックス」を設置しました。 他の2つのグループと一緒に同じ建物の別のオフィスフロアに引っ越したばかりだったので、それは私たちをよりアットホームな雰囲気にできた良い機会でした。

正直言うと、2020年はもう少し前進したいと願っていました。
しかし、新型コロナウィルスにより全体の労働状況が一変しました。そのため、dSPACE Japanも4月から従業員の安全のために在宅勤務を開始しています。 それは私たちにとって新しく、ほとんどの日本企業もそうだと思いますが、最初はとても大変な状況でした。まずはワークスタイルを再編成し、より多くのオンラインでの作業に移行する必要があったためにManagement 3.0の実践は少し遅れました。ありがたいことに、ITチームは徐々にオンラインツールを増やしていきました。

その後、私たちはグループとしてワークショップを受講しました。Management 3.0から再び始め、段階的に行っていきました。 現在は、実験に関するフィードバックを集め、次のステップを調整、計画するために、別の社内会議を準備しているところです。

他の活動として、私は日本で予定されている全社的なプロジェクトに参加しました。そこではこういった新しい働き方をもっと研究して導入したいと考えており、将来においても在宅で働ける日数を維持することを考慮に入れています。このプロジェクトグループはまもなく始動し、すべての人の労働環境をさらに改善するために多大な時間とリソースを投資する予定です。 そこには、リーン・チェンジマネジメントとManagement 3.0を融合させた考え方が役立つと私は確信しています。


ステファン:あなたの仕事の主な課題は何ですか?

カーステン:一般的に日本のお客様は高い期待値を持っているため、開発とエンジニアリングにおいてドイツ側と協力し合うことが課題の1つです。組織的および技術的なスキルの習得、育成に加えて、異文化トレーニングや従業員の交換(出向)なども検討する予定です。チームと私はdSPACE Japanの他のメンバーと共に、できる限り本社への橋渡しをし、弊社のツールとソリューションを駆使して、お客様の仕事の成功を後押しします。

 

ステファン:今年の初め、カーステンさんはチームにワークショップを開催してほしいと依頼してくださいましたね。その目的とNuWorksを選ばれた理由を教えていただけますか?

カーステン:簡単な答えですが、昨年開催されたワークショップとステファンのファシリテーションがすごく好きだったからです。 さらに、NuWorksは日本で最初にManagement 3.0のワークショップを行った会社ですから、早々に再度連絡を取りました。

 

ステファン:しかし、残念ながら新型コロナウィルスの感染拡大のため、ワークショップを延期する必要がありましたね。 そこで、今年の9月後半にオンラインと対面のハイブリッドバージョン、具体的には3時間のオンラインコースと2チームによる半日×2回の対面ワークショップを実施することに決定しました。 ワークショップは、Management 3.0、Work Together Anywhere、およびIKIGAIを組み合わせたものでした。
ワークショップの印象はどうでしたか?

 

カーステン:まさに、9月が理想的な時期になりましたね。最初はオンラインの部分を行いました。 20分間の短い「テクニカルチェック」のセッションを行った後、誰もが使っているソフトウェアを使用して自身の機器をテストできるようになり、数日後にはワークショップを開始できるようになりました。Webカメラに映ったメンバーたちとオンライン会議ツールZoomを通じ、あらかじめエクササイズが準備されたオンライン共同作業ボードMural(ミューラル)を使って行ったことは素晴らしい経験でした。エクササイズでは、ランダムに振り分けられたメンバーがいるブレイクアウトルームを使い、メインルームで結果をまとめて話し合いました。

ミューラルでは写真と名前が付いたマウスポインターが仮想空間を動き回り、他のメンバーの意見を知ることができました。宿題では車の写真を使ったメンバーや素敵なパーソナルマップを描いたメンバーもいました。全員がとても前向きで熱心だったことが特にうれしかったです。繰り返しますが、ワークショップではご尽力いただき本当にありがとうございました。コ・ファシリテーターの久見子さんとNuWorksのおかげで、私たちがグループとして開催した初めての完全な双方向のオンラインワークショップをサポートしてくれました。

 

また、2度の「オフサイト(対面)」ワークショップは、会議室ではなく実際の生活やより中立的な場所で実施しましたね。スペースマーケット経由で渋谷にある貸しスペースの屋上ロケーションを予約したのもすごく良い選択だったと思います。部屋は思ったよりも小さかったですが、場所も雰囲気も素晴らしかったと思います。 スペースマーケットは宣伝のためにいくつかの非常に魅力的な写真を掲載していました。それは私にとってその日もう一つ学習したことでしたね。 さらに、隣接する屋上テラスは広々としていて、今必要とされている適切な距離と換気ができる環境でした。特に2回目は、準備した資料やフリップチャートを使用する時には完全にテラスに移動して行いましたね。

私にとって興味深かったのは、どちらの回もまったく異なる方向に進んだことです。毎回、チームを超えて作業できるように両方のチームからメンバーを選択しました。最初は本当に不思議に思っていましたが、最終的にはどちらも同じものの異なる側面に焦点を当てているだけで、全体として互いに補完し合っていることに気づきました。 2021年のグループのビジョンを完成させるために、今年末のオンラインミーティングでこれらを1つにまとめる予定です。


ステファン:ワークショップの結果はいかがでしたか? あなたやチームがワークショップから得たものと最大のメリットは何だったかお聞かせください。

 

カーステン:先ほど述べたようにオンラインの部分では、個人的なことを共有したり、共通点やモチベーションの違いを見つけることが重要で良い結果につながりました。 「Work Together Anywhere」だけが個人的に少し弱いと感じました。 というのも、この数か月、すでにそのようなことを実地で実践的に学んでいましたし、チームの1つはもともと2つの拠点に半分ずつ分かれていたからです。そのため、そのトピックは私たちにとっては完全に新しいものではなく、在宅勤務に関する最近の話題にすぎません。 それでもオンライン作業におけるチームの合意事項を振り返って書き留めておくことは良い点でした。 これがワークショップの結果であり、新しいメンバーが加わった時など、今後これをさらに発展させることができると思います。

次に、2回の対面ワークショップでは、最初にすべてのメンバーがManagement 3.0の基礎知識を学び、エクササイズを行った後、すぐに実践できるような状態に変わることが重要でした。 それが良かったですね。 そして、個人的な生きがいカードゲームを使ったワークショップでは、少人数で行うことで相互理解と継続的なチームビルディングに役立ちました。 しかし、トピックの内容からもう少し時間が欲しいと感じたので、自分でフォローしてゆきたいと思います。

最後に、そして私たちが得た主な結果のひとつですが、生きがいカードゲームの質問を使って、会社のミッションとビジョンの一部としての私たちグループのあり方を見つけたられたことが挙げられます。時には挑戦的なものもありましたが、興味深い方法でした。ここでもファシリテーターとしてあなたが大きくサポートしてくれましたね。様々な質問に対する番号ベースの投票で、私たちは質問の答えやヒントをすぐに得ることができました。 それは私にとって、その日最も興味深いと感じた部分でした。

全体を通してこの3日半から、優れた学習と洞察に加えて、より多くのツールや多くの課題、新しいアイデアが見つかりました。 他のメンバーの反応も同様でした。 オフィスでは4月以降、平日に全員で仕事することを避け、新型コロナウィルスから守るために出社を制限しています。 そのため、安全な方法でメンバー全員と直接会うことができたということはもう一つ利点でした。 その後、懇親会でワークショップを締めくくり、屋上テラスで美味しいピザを食べました。その日の最後に活発な話ができたことが本当に素晴らしかったです。

 

ステファン:では、カーステンさん自身について少し教えていただけますか。なぜ日本に引っ越したのですか? そして、日本の生活で一番好きなことは何ですか?

 

カーステン:仕事、人々、おいしい日本食ですね。そして妻が私をここに連れ戻したと思っています。 私は東京の様々な場所を探索するのを楽しんでいます。 電車に乗ってどこかへ出かけて何時間も歩いたりして、この絶え間なく変化する活発な都市で常に新しいものを見つけています。

また、当社の目標の1つは、お客様の真のビジネスパートナーになることであり、特に日本では、一日一生懸命働き、その後夕食に行って仕事の話や日常のこと、文化の違いについて話をするのが好きです。社内のメンバーやドイツ本社から訪問してきたメンバーも同様です。このような強い企業精神を持っている日本は本当に素晴らしい文化だと思います。

ドイツの本社でも同じような経験をしました。若い同僚とレストランに行ったり、ゲームをしたり、スポーツをしたりする時間がありました。 また、dSPACEのサマーパーティーはパーダーボルンでは有名になっています。そのために、日本を含めたグローバルな同僚がタイミングを見計ってお客様と一緒に訪問し、パーティーに参加するのです。これはまさに異文化交流です。

 

ステファン:ありがとうございます。今後もより現代的なアイデアを職場に取り入れていただきたいと思います。

カーステン:ありがとうございます。あなたのサポートのおかげです。