こんにちは。杉山です。
Management 3.0に出会って5年。実働約3年。
これまでたくさんの方に出会い、お話をさせていただきました。
その中で、ずっと私がテーマとして持っていたのが「Management 3.0を教育業界に浸透させたい」でした。
でもそれは果たしてどうなのか?…という新しい気づきを得たので、ぜひそんな考察もお楽しみいただきながら
最後までお読みいただけると嬉しいです。
今回は、今まで「家庭でも使っていますよ」といった声を聞くことも多く、こういった声がもっと世の中に出るといいなぁと思い、2021年のお盆休みに「子どもの教育とManagement 3.0」のテーマでいつもお世話になっている方々にお話を伺いました。
(9割方完成したデータがPCの故障により完全に飛んでしまったため、こんなに遅く世に出すことになってしまいました💦)
Management 3.0はどんなシーンでも使える考え方
Management 3.0は考え方なので、家庭やコミュニティ運営など、ビジネスだけでなく、普段の生活にもとても取り入れやすいのがいいところです。しかも、家庭で行う場合は力を抜いてできるので、あらゆる「実験」が試せます。また反応もダイレクトなので、そこもおもしろいところです。
職場で使うには躊躇してしまうなぁと思われる方は、まずは身近な人たちにお試ししてみることをおすすめします。それが事例になるので、ちょっと人に伝えやすくもなりますよね。
物理的にManagement 3.0を使い続けるというよりは、そのマインドを意識し続けるということこそ、「Management 3.0を実践しています」と言えるのではないかなと個人的に考えています。
堅苦しくなく、「軽量に」「誰でも使える」のがManagement 3.0です。
文脈によっては計画してから始めないといけない場合もあるかもしれませんが、「まずはやってみよう」「そこから改善していこう」というように肩肘張らないでスタートできる雰囲気が最初の準備段階です。
では、前置きが長くなりましたが、皆様の家庭での実践のお話をインタビューを思い起こしてご紹介していきたいと思います。
メンバーはこちら!(時計回り)※2021年8月時点
酒井さん:小2男子、年中女子の父
杉山:中1男子、小5女子の母
吉川さん:小2男子の父
冨田さん:小2女子の母
慶松さん:小5、小3男子の父
大友さん:小5女子、小1男子の父
過去に、吉川さん、冨田さんとは「Management3.0を仕事じゃないところで実践した話」のイベントを行いました。(この時の主催メンバーは、他に、本田さん、カンさん)
今回はその続きとして、皆さんに最近ご家庭でManagement 3.0を使っていますか?をお伺いしました。
それぞれの実践
吉川さん:今までMoving Motivators 実験結果報告 ~家族編~にもブログを書きましたが、最近はないですね。
杉山:たくさん書いてくださいましたよね。ありがとうございました!
私も今までにManagement 3.0 実践~家庭編~ とManagement 3.0で子育てをする-家族のモチベーターを知ろう!- を書いていますが、この前(現時点では約1年前)、新しく子どもたちにムービング・モチベーターズを書いてもらいました。
これは2人合わせた子どもたちのモチベーター(モチベーションの源泉)です。
YouTube、勉強、外出、遊び、お金、景色、趣味、海外旅行、自由、権力。
だいたい予想はしていましたが(笑)、この目的はモチベーションを敢えて書き出すということだったので、色紙を使ったり、本物のカードと同じように文字とイラストを分けて書いたあたりが「なるほど、よく見てるね〜」という率直な感想でした。
「○才の時のモチベーションってこうだったね〜」と成長の記録として、定期的に残して行くのもいいなぁと思いました。
書いた後に説明してもらうので、書く→話すといった表現力を培うのにも役立ちそうです。
酒井さん:子どもに書いてもらうっていいですよね。
ムービング・モチベーターズは子どもにとっては文章が難しいので、絵があると分かりやすいですね。
うちも子どもたちと一回やったことがありましたが、息子は「王様」の絵を書いていました。
杉山:うちも「権力」のカードがあったので、同じような感じでしょうか^^
王様の表現がかわいいですね。
冨田さんは以前イベントでも家庭でニコニコカレンダーを使っているとお話されていましたが、最近はいかがですか?
冨田さん:私は夫と設計事務所を経営していて、親子向けに「家づくりワークショップ」を行っているのですが、この前、ワークショップの最後にハピネスドアを使いました。
ワークショップが終わった後にお家でQRコードでアンケートを入力してもらうよりも、その場で親や子どもからもすぐにフィードバックもらえるので回答率がすごく上がりました!
ワークショップやイベントのハピネスドアはいいなと思います。
規模が小さいこともあり、みんなニコニコ顔に貼ってくれるのは見えてるのですが、フィードバックはほぼ100%、子供も書けるというのがWEBアンケートとは大きく違う良さだと思います^^
大友さん:うちは上の子が「なんでお父さんがいつも決めるの?」と言っていたので、権限移譲を参考にして、物事を決める時には一緒に話すようにしました。
他には、Management 3.0ではないですが、ワーキングアグリーメントを使っています。
子どもと一緒に約束を決めてA4の紙に書いて部屋に貼っています。
下の子は「約束を守れなかったらゲーム無しにする」と決めたので、最初の1ヶ月はずっとゲーム無しでしたね(笑)
全員:(笑)
大友さん:「これ約束に書いてあったよね」と言うと、「ない。見てくる!」と見に行き、「書いてあったわ…」と肩を落として帰ってきます(笑)
あとは、「カンバン」も使っています。
上の子が1年生の時に夏休みの宿題が大変だったので、次の年から段ボールでカンバンボードを作りました。
ボードだけ僕が作ってあげて、後は娘が自分で管理していました。
今はカンバンがなくても自分でできるようになったので、下の子が使っています。
杉山:すごい!中学年になると自分で管理できるようになるんですね。
慶松さん:私は他のコミュニティで実験中なのですが、子育てにデザイン思考とアジャイルを使うとどうなるのか?というのを試しています。
うちは小学生の男の子2人なのですが、3つの課題がありました。
①次男(小学3年生)が宿題をよく忘れる
②ランドセルをその辺に放置する
③兄弟喧嘩が多い
杉山:ランドセル問題はよく聞きますよね…
慶松さん:これらの課題に対して、以下のようなアプローチをとってみました。
①次男(小学3年生)が宿題をよく忘れる/②ランドセルをその辺に放置する
→カスタマージャーニーマップを作って一日の行動を可視化(課題の洗い出し)
ルールを定義して模造紙に貼りだす
カンバンで宿題を管理
③兄弟喧嘩が多い
→ドラッカー風エクササイズで兄弟の相互理解を深めてみる
【子供たちのカスタマージャーニーマップ】
【カンバン】
【ドラッカー風エクササイズ】
全員:おおー!すごい!!
慶松さん:宿題は、カンバンでタスクの洗い出しとタスクの見積もりまで子供と一緒にやって、そのあと1日あたり何タスク完了させるのかは、子供たちに任せて実行させました。
ドラッカー風エクササイズでは、兄弟がお互いに相手からされたら嬉しいこと、嫌なことなどを共有して、何が問題なのか、どうしたら解決できるかを考えさせました。
それぞれの主張があって、話して行くうちに何に不満があるかが見えてきて、相互理解が深まりました。
でも、未だにしょっちゅう喧嘩しています(笑)
ランドセル問題も「リビングに置きたい」とのことだったので、ルールとして「玄関には置かない」と決め、リビングに置く場所を作りました。
これだけは解決しました!
【ランドセル放置問題への対策】
夏休みの宿題は、カンバン効果が抜群で、期日の数日前に無事完了しました。
吉川さん:慶松さん、どこかで発表できますね!
慶松さん:実は、他のコミュニティで発表する予定なんです。
(この後、発表されました!慶松さん、これからも応援しています!!)
今の教育の潮流は自律型
杉山:みなさんはManagement 3.0って子どもの教育の方に広がると思いますか?
お話を聞きながら、よく考えたら今の小学校教育の方が「自律的」だということを思い出しました。
冨田さん:私は、学童みたいな放課後の活動にたまに入ることがあるんですが、結構子どもたちの言い分もあるんですよね。「誰が何した」とか、そこを聞いてあげています。
杉山:よく揉めていますよね(笑)でも、どちらの言い分も正しい時、ありますよね(笑)
そして学童の先生も担任の先生も大変だなぁって毎度思っています^^;
でも、冨田さんのように中立に話を聞いてくれる保護者の存在って、「自分を見てくれている」「向き合ってくれている」という点で、子どもにとって必要だなと感じます。先生だけに任せず、みんなで子どもを育てているという意味で。
先生の話で言うと、結構、最近(昭和と比べると…です)の先生って「○○さんはどう?」「あなたならどうする?」とか個の意見を尊重してくれるんですよね。
忙しい中、一人一人をちゃんと見てくれているんだなぁと頭が下がります。
小5の娘のクラスの話ですが、今は、一人一台パッドが渡されているので、そこでプレゼン資料を作って英語で発表する、なんてことも行っています。
先生は「私より子どもたちの方が資料作成がうまいんです〜(笑)」とおっしゃっていました。
評価というより、良いところを探して声がけしてくれたり、背中を押すように接してくれている気がします。
自分で調べて発表することやディベートなど、主体性を持って行動したり意見を伝えるという協働ワークが多く、
先生が言うことをただ聞くという受身の授業は少なくなっているように感じます。
あとは、学級目標を決めることだったり、送別会を開くかどうかから話を子どもたちに委ねたり、先生はあくまでも導く役目と要所要所で気づくようなポイントをコメントしたり、そんな役割に変わっていますね。
大友さん:子どもたちはManagement 3.0のような教育を受けてきたのに、社会に入ったらM1.0(所謂トップダウン)を経験して戻ってしまうんですよね。
吉川さん:子どもにManagement 3.0を広めるというよりまずは親が知ることですよね。子どもは3.0の世界にいるのに、大人の方が1.0になっている可能性ありますもんね。
杉山:子ども向けに何かできるとすれば…親子ワークショップでしょうか?
吉川さん:今までのワークショップみたいに施設を借りてムービング・モチベーターズを作るとか。
酒井さん:それおもしろそうですね。
うちも一緒にやった時、色々な発見があってすごくおもしろかったです。
杉山:オンラインでもできそうな感じもしますが、こういう創造的なものは対面で行うのがよりおもしろそうですね。
その時はぜひ一緒に何かできたら嬉しいですね。
そして、同じように家庭でも実践されている方が集ってくださるといいなぁと夢を思い描いています。
最後に
今回は、ビジネスの場でも実践されている方でもあり「保護者」でもある皆様と一緒に「子どもと教育」をキーワードにお話しできてとっても楽しかったです。
ビジネス色がまだ強いかもしれませんが、意外と身近なところにヒントはたくさんありますし、私自身もフィードバックの仕方なども子育てに活かしています。
「子どもと教育」についてお話したいという方、関心がある方、ぜひ私たちのお仲間入りをお待ちしています☆
吉川さん、冨田さん、酒井さん、大友さん、慶松さん、どうもありがとうございました(^^)
そしていつも楽しい時間をありがとうございます!