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IKIGAIとエンゲージメント – Management 3.0 寄稿ブログ日本語版 –

先日公開されたManagement 3.0に寄稿したIKIGAIのブログが公開されました。

英語版はこちら。とてもかっこいいレイアウトになっています。
よろしければお読みいただけると嬉しいです。

こちらには日本語版を少し加筆したものを掲載いたします。

こんにちは。Management 3.0 日本人ファシリテーターの杉山です。
「意味と目的(Meaning and Purpose)」のモジュールでIKIGAIという言葉に初めて出会った方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

 

IKIGAIと日本人にとっての「生き甲斐」(IKIGAI)


IKIGAIはこのように「好きなこと」「得意なこと」「世の中が求めていること」「お金を得られること」4つの輪が重なったところを意味します。
(Management 3.0のモジュールより)

まず私が一番伝えたいことは、日本人にとってIKIGAIはとても個人的なものだということです。

日常的に他者と共有するものではなく、直接的に「あなたのIKIGAIは何ですか?」と聞くこともありません。IKIGAIはとても尊く、その人の生き方を表すものです。

個人が思う幸せの形や信念でもあり、それぞれが心の中で大事にしている大切な想いなのです。

IKIGAIについては、エクトル・ガルシアさんが書かれた邦題 外国人が見つけた長寿ニッポン幸せの秘密 (英語版はこちら)が有名ですが、
IKIGAI: 日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣を(英語版はこちら)も強くおすすめします。日本人の心理学者 茂木健一郎さんが書かれた本で、日本人の心や生き方を知ることができます。

(皆さんが今後仕事やプライベートで日本人と関わる時に、おそらく役立つと思います。)

 

エンゲージメントが人々に与える影響

私が働いているNuWorks(英語版はこちら)は2016年からManagement 3.0を日本に広く展開しています。
日本で最初のファシリテーターのステファンと、スイスでアジャイルDXを行って来た鹿嶋さんと私、3人全員がManagement3.0のファシリテーターです。

 

さて、日本はエンゲージメントが低いと言われています。しかし、それはどうでしょうか?
私は、幸運にも今までオンラインイベントやワークショップで、仕事が好きで楽しいと言う人に多く出会いました。

「仕事が楽しい」と話す人たちからは、いつも希望に満ち溢れた大きなエネルギーをもらいます。
同時に、Management3.0のマインドを持った素晴らしい人たちと出会えたことに心から喜びを感じるのです。


先日、PC売り場で販売員のエンゲージメントの高さに驚いた出来事がありました。

どのPCにしようか迷っているところを声をかけていただいたのですが、声かけから始まり商品の説明、他の製品との性能の違い、など接客から、彼の自社を誇りに思う気持ち、製品への自信、それをお客様に伝えたいという熱意が強く伝わりました。

商品を強く薦めるような態度では決してなく、私たち家族への理解と共感も持ち合わせていました。
こちらへの質問も多く、購入後のレクチャーまでしていただきました。
純粋に会社、製品が好きで誇りを持って仕事をしているのだと話ぶりから伝わりました。

モジュールの中でよく出てくる「エンゲージされている従業員」とはまさにこの人のことだと分かり、終始その接客に私たち家族が圧倒されていました。

だから、押し売りではないと確信し、信用したのだと思います。

「転バイヤーではなく、お客様のような純粋にPCを楽しむ方に買っていただきたいから声をかけました」とおっしゃっていました。

このことからエンゲージエントは会社への信頼であり、愛着であり、パッションなのだと改めて感じ、エンゲージメントの持つ力強さを再認識しました。

あのような販売員の方から買えたことはとても幸せな買い物だったと満足しています。

熱意や接客、相手を思う気持ち、何のために働くのか…、などとても多くの大切なことを学ばせてもらいました。

エンゲージメントはなかなか言葉で伝えにくいものですが、あのように目の当たりにすると言葉以上にすごく迫力があることも分かりました。

自分のエンゲージメントを問い直す

熱意を持って働くことは、仕事や人生の目的を実現するために非常に大事なことです。

組織は個人の集まりです。個人の価値観が違ったり、多様性があっても、組織のビジョン・ミッションに共感する人が集まれば、自然とエンゲージメントが高くなることは容易に推測できるでしょう。

ですから、私たちはManagement 3.0のワークショップを行う時は、エンゲージメントについて毎回丁寧に説明しています。

 

 

 

 

 


自分はどう在りたいか?
何のために存在しているのか?
会社の中の「私」の存在とは?

個人のIKIGAIが会社のビジョンやビジョン・バリューと重なることは、お互いにとって相乗効果をもたらします。

数年前、ステファンはManamement 3.0の企業ワークショップの中でこの後に説明するIKIGAIカードを使って企業の存在意義を問い直し、ビジョン作成を行いました。

(参照:dSPACE Japan株式会社様のワークショップ インタビューブログはこちら

私たちが開催しているManagement 3.0とIKIGAIカードを使ったワークショップでは、個人のIKIGAIを探求します。パーソナルマップ、価値観リスト、ムービング・モチベーズを各セッションに入れ、内省しながらIKIGAIを多角的な視点で探求できるよう設計しています。

IKIGAIカードについてはこちらをご覧ください。
NuWorksでは、ビジネスパートナーIkigai® Coaching Institute がカードを開発し、そのカードを使ったオリジナルのワークショップを開催しています。

Management3.0とコラボレーションしたらもっと面白いのではとIKIGAIとのコラボレーションでこのワークショップをデザインしました。

↑オリジナルのワークシートも作成しました。

クロージングにはオンラインのインプロカードも使っています。

 

 

 

 

 

このワークショップの詳細は、最近のブログ記事、そしてワークショップのインタビュー記事も併せてご覧ください。

何のために働くのか

この問いは私たちの目的がそれぞれ違うように、ずっと答えを探す旅に出ているのと同じです。

VUCAの時代だからこそ、私たちの内面に焦点を当てることはとても重要であり、エンゲージメントされた個人がそれぞれの力を発揮することによって会社も元気になっていきます。
私たちは感情を持った人間です。自分にしかできないことがあります。

私たちは何者で、何を成し遂げたいのか。まずは自分の「好き」で「得意」なことがどう世の中に影響を与えるのか考えてみると非常にワクワクしますね。

最後に

2021年、Management 3.0 元CEOラルフさん(Ralph van Roosmalen)のManagement 3.0コミュニティ向けの「チームが価値を生み出すための6つの要素」の講演イベントの様子です。
いつか日本で世界中のファシリテーターに会えることを楽しみにしています!