事例インタビュー:チームから社内へ広がるマネジメント 3.0 投稿者:Staff 投稿公開日:2023年11月20日 投稿カテゴリー:Management3.0 / インタビュー / リーダーシップ / 事例 / 未分類 今回は、同僚のご紹介をきっかけに久しぶりにご連絡をさせていただいた恩田裕也さんへインタビューを行いました!今回もとても楽しくて、まだまだお話ししたいアットホームな時間でした。 恩田さんと出会ったオンラインワークショップ はじめに 杉山:恩田さん、お久しぶりです!本日はありがとうございます。まず、マネジメント 3.0ワークショップを最初に受けられたきっかけを教えてください。恩田さん:私が働いているのは、株式会社マネジメントソリューションズ という会社で、PMOコンサルをしています。お客様のプロジェクトを成功させるためにマネジメントで支援している会社です。私のタイトルとしては、PMOのプロフェッショナルです。プロフェッショナルとして、手持ちの武器を増やしたり、知見を深めたりしたいと思って、学習の場を探していました。探し始める前に、プロジェクトマネジャーの皆さんが読むような世界最大のプロジェクトマネジメント協会(PMI)が発行している「PMBOK®︎」というプロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたガイドブックがあるのですが、その本が第7版というところでだいぶ方針が変わったんです。マネジメント 3.0の外観を読んだ時に、その第7版の考え方と近しいものがあると思ったんです。プロジェクトの価値をいかに実現していくか、みんなで自律的にそれぞれの力を発揮してプロジェクト遂行しようという、色々なところで共通しそうだなとマネジメント 3.0に興味を持ちました。杉山:マネジメント 3.0自体はどのように知ったのですか??恩田さん:当時はマネジメント関連のタグなどで研修を探していたので、Doorkeeperなど研修の概要を色々見ていたところ、本当にたまたま(Doorkeeperの)ページが目に留まりました。杉山:どのワードに惹かれたのでしょうか?「自律的な組織〜」とかですか? 恩田さん:完全にプラクティスの方ですね。さっきのPMBOK®︎の話で言うと、あちらは「心構え」を定義しているような本に対して、マネジメント 3.0は「プラクティス」と言うところを推されていた印象でした。なので、ひょっとすると併用できるというか、組み合わせると楽しいのではないかなと言う直感がありました。杉山:では、実際にワークショップを受けてみていかがでしたか?恩田さん:予想以上だったと思っています。研修していただいたNuWorksの皆さんのお陰かと思いますが、一緒に参加されてたメンバーの方が素晴らしかったというのもあって、研修期間を楽しく過ごせました。 杉山:そうですか!それは感激です!!!何か興味深かったプラクティスなどはありましたか?恩田さん:おもしろいものが多いのですが、今でも使っているのがムービング・モチベーターズ、セレブレーショングリッド、フィードバックラップの3つです。これらはもう常に使っています。 ムービング・モチベーターズ 杉山:では、それぞれどのように使っていらっしゃるか教えていただけますか? 恩田さん:仕事柄、新しいチームの立ち上げに参画することが多いので、最初にみんなどうういう気持ちを持ってこのチームに入っているかとか、1on1するときのきっかけだったりとか、常日頃どう言うことに興味を持って仕事をしているとか、エンゲージメントを聞いていました。 杉山:チームは何人ぐらいですか?恩田さん:3人ぐらいから10人ぐらいまで様々ですが、実際のところ6-7人がマックスだと思います。あとは、採用の面接ですね。杉山:採用のシーンだと、よく出すタイミングを迷う声も聞かれますが、中盤ぐらいでしょうか? 恩田さん:はい、中盤ぐらいです(笑)どう言うところに価値を持っている方なのかなとか、ゲームで知ることができるなと思います。会社に合う合わないに関係なく。杉山:候補者さんに「これは1つの参考として行います」というように説明されていらっしゃるのですか?恩田さん:選んだものが合否に関わるものではないよと言うのはお伝えしていますね。杉山:大事なところですよね。では、どのくらいの頻度で使われているのでしょうか?恩田さん:そんなに採用での利用頻度は高くないですが、チームの中で使う時は、月一もしくは、2ヶ月に一回ぐらいとか、やりたいなと思っています。杉山:全て1on1ですか?恩田さん:基本的には1on1ですね。ただ、みんなチームが集まる場では、雑談ベースで結果をみんなで共有しながら話をしていますね。杉山:結果はどこかにまとめているのでしょうか?恩田さん:はい、自分の管理表みたいなメモに思い出せる程度にまとめています。杉山:見返せるようにしているんですね。1ヶ月経った時の変化ってなにかありましたか?恩田さん:若手のメンバーは変わりやすかったりしますね。杉山:そうですね。ストレングスファインダーも若い方は(強みが)よく入れ替わると聞きますね。恩田さん:まさに、短いスパンで行うとおもしろいと感じています。 「チャレンジ」に焦点を当てたセレブレーショングリッド 杉山:では、次にセレブレーショングリッドはいかがですか?恩田さん:ムービング・モチベーターズとセットでやることも多いです。これもチームの振り返りで使うんですが、一番いいなと思ってるのが「チャレンジをどんどんしていこうぜ」という振り返りの仕方がすごく好きで、「次は何にチャレンジするの?」とか「チャレンジした結果どうなの?」っていうのが他の振り返りの手法よりもよっぽど見やすいなと思っています。杉山:それはオンラインで使われているんですか?恩田さん:両方ですね。オンラインで使う時は、mural等のオンラインホワイトボードを使って付箋を貼ったりしながら使います。会議室の場合は、ホワイトボード上に付箋を貼ってと、やり方は一緒ですね。杉山:セレブレーショングリッドを見た時や実施した時のみなさんの反応はいかがでしたか?恩田さん:最初は独特な絵なので、「なんだこれは?」って思うんですけど、最初の説明を終えると「なるほど、こういうこと言ってるんだね」と分かってもらえます。杉山:「間違い」という部分は色々議論があったりしますが、恩田さんはどのように伝えていらっしゃいますか? 恩田さん:教わった通りかもしれませんが、「前提として、チャレンジしなかったことが間違い」ということを伝えますね。間違ったやり方でそのまま失敗したらその通り、間違いというのはわかりやすいんですが、成功した場合でも、チャレンジしていない場合は、今まで信じてたものはひょっとしたらよくなかったかもしれない、本当にそれを信じてやっていいやり方だったのかと振り返る機会にしましょうと話をしています。 もう一つケアしてるのは、チャレンジした結果うまくいかなかったパターンです。これは間違いではなく、いいねします。そして、そこからまた次のチャレンジに活かすにはどうしたらいいかを話します。杉山:「学習」の箇所はいかがですか?恩田さん:次のチャレンジや気付いたところを書いてもらうようにしています。学びということで盛り上がりますけど、そこよりも上の分類(うまく行ったこと、実験、間違い)の方が特徴的かなと思います。そこがしっかりできると自然と学習の欄は盛り上がりますし。杉山:なるほど。見やすいですしね!チャレンジの結果に対してフィードバックがありますからね。フィードバックは恩田さんが全てされてているのでしょうか?恩田さん:慣れてきたら参加者同士でやりますね。私はもうファシリファシリテーターのような感じでみなさん同士でしていますね。杉山:ちょっとした文化や習慣になっているんですね!恩田さん:2回目ぐらいからそんな感じになっています。杉山:毎回振り返りというとセレブレーショングリッドが登場しますか?恩田さん:色々選びはしますけど、セレブレーショングリッドをやりたいと言ってもらえることもあります。 フィードバックを効果的に伝えるために 杉山:では、フィードバックラップはどのように使われているのでしょうか? 恩田さん:フレームワーク的に使ったりすることも多いです。仕事柄、結構フィードバックする機会って多いのですが、一緒に働いてるメンバーもフィードバックをすることに対してどのようにすればよいかとか、フィードバックすることに難しさや課題感を持っている人も少なくないです。ただ、あのフレームワークは、相談してくれた人と一緒にトレーニングしやすくて、お互い腹落ちしやすいので、我々のスキルアップのために使う感じが多いです。 杉山:それはデスク周りとか、どこかに貼ったりしているのでしょうか?恩田さん:順番を紙に書いて貼っています。あとは、メンバーにフィードバックラップの話をしないで、その人がフィードバックをした内容の結果をもらって、フィードバックラップの形に分類分けして「ここがないから、あるといいかもしれないね」ってフォローして返します。一番丁寧にやる時はそうします。 杉山:順番はあの通りに行っていますか?たまに、順番を変えてもいいですか?という質問を聞くことがあるのでお伺いしています。 恩田さん:順番を変えるということはないですね。コンテキストのところと観察した結果が重なって同じ文脈の中で説明したりというのは多少あるかもしれません。感情と価値のところがセットになったり。あと、より提案したいことを相手に腹落ちしてもらうように伝えたい時は、コンテキストと観察した結果、そして価値の部分を熱く伝えたりします。逆に、相手に提案をもっとしてほしいなと思う時は、もっと観察した結果と感情に重きをおいたりなど、相手の反応をみて、伝えるべきポイントのバランスを変えています。 杉山:これもよく言われることですが、感情的にならずどう相手に伝えられるか、難しいところでもあると思います。恩田さんは感情についてはどのように伝えていますか? 恩田さん:私はあの感情の部分は、自分の熱を共有し、しっかり対話するために、私はかなり重要視しています。この項目が用意されているのが、フィードバックラップのいいところだと思っています。客観的な情報を伝えるだけだと、AIが喋っているみたいになってしまうので、思いを伝えるとより相手に刺さりやすいので、人にフィードバックラップの話をするときにも感情の部分がすごく大事だと伝えますね。言葉にしなくても態度や言い方で伝えますね。杉山:恩田さんは1on1など実際に対話で伝えることが多いですか?または、文字で伝えることもありますか?恩田さん:対話で伝えることが多いです。その方が相手の反応を見ながらできるのでやりやすいです。とはいえ、メールやslackなど文字で伝えることも多いですね。その方が、フィードバックラップのフォーマットに乗っ取ってやりやすくはあります。杉山:なるほど。そうするとあのステップ通りに論理立てて進めることができますよね。恩田さん:そうですね。考え方のフレームワークを使っている感覚に近いですね。 杉山:フィードバックラップを伝えた時のメンバーの反応はいかがでしたか? 恩田さん:「こういう順序で話すと伝わりやすいんだ」と一番多く言われますね。あと、「感情を意識するんですね」と2つ目に言われます。フィードバックラップは使おうと思って使ってはいませんが、よく使っていますね。 パーソナルマップ・ハピネスドア 杉山:日々の仕事に実践で生かされていることが伝わりますね!ありがとうございます。では、他のツールについて何か使われているものはありますか?恩田さん:ハピネスドアとか、パーソナルマップとかもよく使っています!パーソナルマップはチームの立ち上げの時に最初にみんなに作ってもらいます。うちの会社は人数が多いんですけどお客さんの現場にみんな行ってしまうので、会社で集まるとか、社員同士の触れ合いがないんです。なので、社内交流として自分をみんなに知ってもらおうということで使いました。その時はコロナのタイミングだったのもあって、オンラインではありますが、合計で50人規模のチームに対して行いましたね。何回かのオンラインワークショップを開催して、マップを書いた後に、オンラインホワイトボードにアップロードして、お酒を飲みながらみんなのマップを眺めるような会を行いました。最後に集まったのをみんなのパーソナルマップにしました。 パーソナルマップの作成ワークショップ ハピネスドアは会議だったりちょっとした会社のイベントを行うときに必ず、ハピネスドアとは言ってないかもしれませんが、コーナーを置いて、フィードバックを書いてもらっています。 NuWorksがいつもオンラインワークショップで使っているもの 杉山:いいですね!オンラインの振り返りに使っていらっしゃるんですね。他にデリゲーションポーカーのエピソードはありますか? 恩田さん:まだカードゲームでは使っていません。チームの立ち上げの時やみんなの期待値を擦り合わせようという時、役割を擦り合わせる時に、100%か0%か「あなたこれお願いね」となりがちですが、「デリゲーションカードのどの番号?」とアナログに触れるという考え方は面白いと思います。どのくらいの割合で…とその意識を持ちながら仕事をしています。 恩田さんの今後の想い 杉山:では最後に、恩田さん自身、これからマネジメント 3.0を使って何していこうとか、希望や野望がありましたら教えてください。恩田さん:このマネジメント 3.0を使ってもらえるような世界になってほしいと思っています。杉山:や〜!!素晴らしい回答ですね!!!本当にそう思います。 感極まっています。 恩田さん:うちの会社自体もマネジメントのトレーニングをやっているので、ぜひ組み込ませていただきたいと思っています。 杉山:今回、オンラインワークショップに恩田さんの後輩の方が参加してくださっていますが、どのようにご紹介してくださったのでしょうか? 恩田さん:(ワークショップを受けて)よかったとちょくちょく言っているので、「受けろ」とは言っていません(笑) 「前にマネジメント 3.0を勉強したんだよね。あれ、おもしろいんだよね」と話をしていたら、彼女から「受けてみる」と連絡をもらったんです。 杉山:おお〜!ちょっとずつ恩田さんを起点に社内に広がっていってるんですね!恩田さん:はい。最終的にはみなさん、マネジメント 3.0の世界へ…という感じですね。杉山:これはとても楽しみです!短い時間でしたが、貴重なお話をたくさん聞けました。また新しいお話があれば聞かせてくださいね。今回は楽しい時間をどうもありがとうござました!これからも応援しております! ワークショップのご相談やお問い合わせはこちらから承っております。お気軽にご連絡ください☆ おすすめ NuWorksが5年目に入りました! 2020年10月9日 組織課題のなぜ(WHY)を問う 2022年3月18日 リーン・チェンジ・マネジメント 2019年2月5日