You are currently viewing 日本人にとってのIKIGAI

日本人にとってのIKIGAI

  • 投稿者:
  • 投稿カテゴリー:IKIGAI

日本人にとってのIKIGAI

こんにちは。杉山です。
今回マネジメント 3.0より新しいブログが公開されました!

その翻訳のために少し変な日本語にしてありますが、以下、そのままこちらにも掲載いたします。

こんにちは、くみこです。

以前、このようなブログを書きました。

それ以来、世界中の多くの人がこの「IKIGAI」という日本語と意味に多くの関心を示していることを知り、私自身、この数年は自分でも様々な考察をしました。

こうして在宅で仕事をしていても多くの人と世界で繋がれることはとても嬉しいです。

 

さて、前回書いたように「生き甲斐」は日常的に積極的に他者と共有したり、ディスカッションすることはほとんどありません。

先月、あるイベントでマレーシア人の若い男性がこのようなことを言っていました。

「日本人は生き方についてディスカッションすることが少ない」

これは生き甲斐の共有と同じかもしれません。
日本は、IKIGAIという言葉が誕生した国です。もちろん、私たちは自分たちの生き方、人生について考えていないわけではありません。

日常的に会話の中で共有することが少ないために、彼はそう思ったのでしょう。文脈の中から、自分の大事にしていることや、価値観、将来について直接的には聞かず、「こう考えているのだろう」と考えや気持ちを察してもらうことが多いのかもしれません。

「さぁ、生き方について話しましょう」と、直接的に、積極的に他者とデスカッションすることは私もあまりありません。あなたがもし日本人にこれを言ったら、驚いたリアクションが返って来るかもしれません。

これは、私もワークショップを通して、参加者から聞いた多くの意見です。直接的に話さないことは日本人に共通する点です。

周りの人の話を聞くと、世界的なパンデミックを機会に働き方を変えたり、住まいを変えたり、生き方を考え直した人が多かったようです。

ステイホーム宣言の間に、友人関係や仕事、家族、趣味、今後の生き方について十分に考える時間がありました。

私の場合、大きく考えが変わることはありませんでしたが、自分の大切なものや、価値観に改めて気づくことができました。

でも、夫に「さぁ、今夜は生き方について話しましょう」と積極的に共有したり、友人と特別に話題を取り上げて語ることもありません。相手に質問された場合はもちろん喜んで答えますが、自分から話題として取り上げることはありません。

前回もブログで引用した茂木健一郎さんの本 に、「生き甲斐は大きいものでなく、コーヒー一杯が幸せ」でもいい、という表現がありますが、まさにその通りです。

人によっては、妻を笑顔にし続けることが生き甲斐であり、子どもを喜ばせるのが幸せであり、愛犬との毎日の散歩が生き甲斐の人もいるでしょう。

生き甲斐は精神的なもので、個人によって違います。

私のIKIGAI

私の生き甲斐は「私に関わるすべての人たちを笑顔にすること」です。

 

具体的に言うと、私はよく人から悩みを相談されます。誰にも言えない話をしてくれる人も多いです。

解決策が欲しい人もいれば、ただ聞いてほしい人もいます。

 

相手によりますが、答えを出さなくても泣いていた顔が笑顔に変わる瞬間があります。テキストで相談を聞いている時は、絵文字が泣いてるマークから笑顔に変わる瞬間があります。

 

そして「ありがとう。あなたに出会えてよかった」そう言ってもらうことが多いです。

 

私の存在が証明された瞬間です。

私はあるがままでいいということをこの言葉が教えてくれます。



私は誰も変えようと思っていません。

変わるのは相手自身です。相手が答えを出したのです。

 

私はじっくり耳を傾け、問題解決の選択肢をいくつか並べ、背中を押して、「あなたの味方だ」と伝えるのみなのです。

 

実際は、私の意見が欲しいのではなく、ただ聞いてほしいことも多くありました。

ですから、場合によっては意見を言わないで見守ることもあります。

すでに相手は、大体の場合、自分の中に答えを持っているからです。

IKIGAIとレジリエンス

「あなたに出会えてよかった」はとてもエネルギーが強い言葉です。



私は、大きなストレスがあった時や、不可抗力のため、自分では対処できないと感じた時(制度やルールなど)、入学試験、資格試験に不合格だったことなど、自分の無力さを感じた時、非常に落ち込みました。

 

そんな時に、生き甲斐が私を支えてくれました。

 

例えば、日本語関連の大学院の試験に失敗した時(これは私のリサーチ不足で、パンデミック理由により、試験まで教授と話をすることが許されなかったことが出願時点からの失敗でした)、他にも2年連続で日本語の試験に失敗した時は、私には本当に資質がないかもしれないとひどく落ち込みました。

スコアは現実を私に示しました。

 

結局はスコアではなく、経験が自分の価値を示すことは分かっているのですが、数値化される度に、私は2日くらい現実を直視し、毎年落ち込んでいるのです。

 

絶望の淵にいる時に、「生き甲斐」が心の中で私に話しかけます。そして私を勇気づけるのです。「私を思い出して。自分を信じてまた挑戦しよう。大丈夫」「あなたは誰かを笑顔にしたいのでしょう?」と。

 

そして、私はまた次の日から立ち上がるのです。そう、「あなたに出会えてよかった」という言葉を思い出しながら。

誰かに力を与えるために。



これはレジリエンスです。(茂木先生の本でも同様に書かれています。)



生き甲斐は自分の軸と言えるでしょう。つまり、自分の支えです。倒れそうになった時に、自分を支えてくれる太い木の幹のイメージです。

 

生き甲斐は、ある人もいればない人もいます。
もちろん、なくても問題ありません。しかし、それがあれば「明日も誰かを笑顔にするために目を覚ます」と活力が湧いてくるのです。

100人へのIKIGAI調査からの考察 in 2020

偶然にも、私は、世界的なパンデミックの最初の頃、まさに「IKIGAI」の概念について考えていました。
そこで、もう少しIKIGAIについて知るために、ステイホームの間、周りの人たち100人に生き甲斐について、簡単なアンケートを行いました。2020年11月のことです。

 

友人や同僚、仕事で知り合った人たち、コミュニティのメンバー、母の友人たち、俳句クラブの人、兄弟、夫、私の子どもたち、様々な年齢の人たちに質問をしました。

 

私の子ども2人(当時11才と10才)も参加しました。

 

※お伝えしなければならない重要なことですが、私はIKIGAIの研究家でも専門家でもありません。一人の日本人として、IKIGAIに非常に興味があります。

ですから、このアンケートは非常にカジュアルです。フレンドリーな言葉で項目を用意しました。時には、「答えたくない」を入れたり、私の子どものために「くみこに教えたくない」またはオンラインで回答するのではなく、「直接話したい」も合わせて追加しました。

 

そのようにどうぞリラックスして楽しんで読んでください。

データと共に

年齢

20代  1%
30代  32%
40代  29%
50代  14%
60代  19%
70代  6%

性別

女性  78%
男性  22%

あなたのIKIGAIを教えてもらえますか?

以下は、IKIGAIがあると答えた人に、IKIGAIの詳細を聞きました。

82個の回答からカテゴリーを分類しました。太字はその中で多かった答えです。

 

個人

 

好きな歌手を応援すること

仕事でもプライベートでも他者に認められること

ライブ(音楽)、スポーツ観戦

生きていることそのもの

勉強

健康

心が健康で、相手の気持ちを共有しながら日々に感謝すること

毎日を平穏に暮らせること

好きなことに集中できる時間を持つこと

自分で考えたことを実行し、少しでも結果を実感すること

書道

好きな制作をしながら色々な人と会いサポートできること

ハンドメイド

観劇、音楽鑑賞、美術館などの生の舞台や展示を見ること

日々を楽しむこと



家族

 

家族と過ごす時間

子どもの成長

子どもたちの幸せ

家族を幸せにするための努力と、それに対して力を尽くすこと

子育て

家族や友達と過ごす時間

家族の幸せ

私と関わる人や子供たちが嬉しそうな顔をしてくれること
家族と自分とその周りの人たちが健康である事

沢山の孫達の成長を見守り応援していくこと

家族が毎日笑顔で過ごせるようにすること

 

仕事

 

ヨガの仕事で自分や相手を心身を整え、笑顔にすること

仕事

好きなこと、得意なことで仕事ができること

自営業の一員として、昼飯を作る事、働くこと

働く事

写真や動画の制作など、感性を発揮すること

大好きな野菜、果物について伝えていくこと。特にこどもたちに

お客様と接して話す事

何かを作り、それが誰かのためになり、課題を達成していくこと

何歳になっても仕事があること




社会や環境

 

人を楽しませること

サステナブルな人・組織・地球づくり

好きな人や物をサポートすること

人のために役に立てることを見つけ、より良くそうできるように努力し続けること

私が死んだ後もお花が咲きつづけるよう、市内に球根など植えること

自分のすることが人に喜ばれること

誰かに求められる事

人の役に立つこと

人に喜ばれること

他者や世の中に貢献できていること

誰かを笑顔にした時、感謝された時

自分と人をいきいきと輝かせること

自分の取り組みや関わりから相手に感謝されること

次世代に残せる活動をすること

自身の意志のもと行動し、自他ともに快い関係性を築くこと

誰かと何かを一緒にやって最高の結果を出すこと

ボランティアでいろいろな人と話すこと

人のために生きる

自分の能力を活かすことで、周囲の誰かに役立つこと

自分以外の人の役に立っていると実感すること

悩んでいる、困ってる人を助けること

共に成長し続けるコミュニティ創り





家族がIKIGAIであることがとても多かったです。さらに、具体的な個人のIKIGAIの結果を見ると、それらに多く共通する点は、他者を思う心だと分かります。

他者の幸せを願う気持ち、他者に貢献したい気持ち、他者に感謝されるような振る舞いです。

 

アンケートから、生き甲斐は自分のためだけではなく、そこには他者の存在があることが分かりました。

他者に目を向けることは自分にも目を向けることに繋がります。

つまり、自分ができることは何か、自分の得意なことで他者をどう喜ばせることができるか、自分の振る舞いが他者にどう影響するかを内省する機会が多く現れます。

IKIGAIが私たちに与えるもの

これはマネジメント3.0にも共通します。

原理原則にもある通り、他者を輝かせ、喜ばせることです。

言語や表現は違いますが、IKIGAIは特別なことではなく、同じようなことを世界中のみんなが持っていると思います。

 

今回は個人的なことを調査しましたが、この個人的なIKIGAIが、ビジネスにおいても共通するとさらに幸せに繋がります。

12ステップの幸福の1つの「目的」にもあるように、自分のIKIGAIがプライベートにもビジネスにも合致すると、さらに加速して人生のゴールに向かって進めるのではないでしょうか。

 

「好き」「得意」、「好き」「得意」

両方でなくても、どちらかがあれば、仕事に対しても情熱は絶えることは少ないでしょう。

それがたとえ小さいものだとしても。

 

人は「IKIGAI」に支えられながら、誰かを幸せにするために仕事をし、または生きていくのでしょう。

直接消費者の顔が見えなくても、自身の幸せとして感じられなくても、最終的なサービスで受け取る人は存在するでしょう。

 

あなたの仕事で喜ぶ人は誰でしょうか?

あなたが存在することで感謝する人は誰でしょうか?



人間は完璧ではありません。

辛い時や絶望の中にいる時、または 満ち足りている時や幸せを感じている時、生き甲斐はその存在を確認することを促すように私たちの心の中に居続けるのです。

 

IKIGAIを模索している方は、一度ベン図を使って内省してみるとヒントが得られるかもしれません。

まずは個人のIKIGAIがビジネスにどのように関連しているか客観視してみることをおすすめします。

おそらくその考察があなたの今後の生き方、在り方に大きな影響を与えるでしょう。



私は前回の記事への多くの反響のおかげでIKIGAIを探求する旅の途中にいます。

デジタルトランスフォーメーション時代の人々のIKIGAIはどう変化するのか、これは私の次の問いです。